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GARDEN菜園

栄養豊か、花も楽しめるオクラ

2018年4月 

p23_04saien_4c板木技術士事務所●板木利隆

 夏を越して晩秋まで果実(莢果)を取り続けることができ、フヨウに似た黄色い花は観賞用としてもめでられ、家庭菜園や庭先、プランター栽培共にお勧めです。アオイに似た花は観賞価値もあり、秋遅くまで咲き続けます。花も実もある重宝な野菜といえます。
 独特の粘りがあり、夏のスタミナ補給にうってつけの野菜として知られています。食べ方は刻んで生のままだけでなく、ゆでたり炒めたり、サラダやてんぷら、みそ漬け、かす漬けにと、使い道が広いのも魅力です。
 高温性で昼は25~30度、夜は20~23度が適温で、10度以下の低温では生育がまったく停止し、葉が黄変、落葉してしまいます。畑に植えたが一向に伸びず、落葉、枯死するという声がよく聞かれるのは、苗が低温に遭っていたり、植えた畑が寒過ぎたりした場合が多いのです。これを水不足と勘違いして水をやり過ぎると地温がさらに下がり、過湿となり立ち枯れ病が発生したりして失敗を助長してしまいます。
 育て方のポイントは、苗は3号ポリ鉢に、一晩水に浸した種を4~5粒まき、20度ぐらいに加温して育てるか、市販の苗を買い求め、暖かい場所で再育苗し、十分暖かくなってから畑に植え出します。最近はずいぶん早くから店頭に苗が並びますが、買い急ぎは禁物、失敗して再び苗を求めなくてはならない状態になってしまいます。
 図のように黒色ポリフィルムをマルチし、地温を上げてから植えることをお勧めします。
 オクラの育ちをよく見ると、初期には枝分かれせず、1株当たりの花・果数は少ないので、それを補い、早期収量を高めるために、畑でもプランターでも、1カ所に2株ずつ植えることを勧めます。前半は葉もあまり込み合わないので、これでちょうど良いのです。
 盛んに育ち枝が伸びだしてきたら、主枝の上の方を摘除し側枝に日を当て、健全に伸びるようにします。
 半月に1回、1株当たり小さじ1杯ぐらいの化成肥料を追肥します。
 近頃各地で葉を筒状に巻き食害するワタノメイガの発生が見られます。発見次第捕殺するか、適応殺虫剤を散布して防ぎましょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。