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GARDEN菜園

暑さ寒さに強く連作もできる小松菜

2017年6月 

p23_06saien_4c板木技術士事務所●板木利隆

 在来のカブから分化した漬け菜の一つ。現在の東京都江戸川区の小松川周辺で盛んに作られていたのでその名があります。
 カルシウムを多く含み(野菜の中でも最多、ホウレンソウの3倍強)、鉄分、ビタミンB、Cなどの栄養素も豊富です。
 あくがほとんどないので、ゆでこぼししないでおひたし、汁の具、ごまあえ、生揚げや肉、魚との合わせ炒め、そして漬物にと幅広く使えます。
 耐暑、耐寒性共にあり、連作障害も出にくく育てやすいので、自家菜園にはうってつけ。周年的に栽培してもよい野菜といえましょう。
 一番のまきどきは8月下旬~9月中旬ですが、後述のように6月中旬からでも種まきできます。
 葉形や彩りの異なる多くの品種、系統がありますが、近年人気が高いのは丸葉で葉に厚みのある葉色の緑の濃い品種(多くはチンゲンサイの性質を取り入れた改良種)です。
 育て方は、野菜の中ではやさしい部類ですが、寒さ、暑さの厳しい時期の良品取りには元肥に良質の完熟堆肥や油かす、化成肥料などを畑全面にばらまき、20cmぐらいの深さによく耕し込んでおくことです。生育の様子を見て、後半葉色が淡く、育ちが遅いようなら、15~20日置きぐらいに化成肥料と油かすを列間にばらまき、くわで軽く土に耕し込んでおきましょう。
 秋はいろいろな害虫にやられやすいので、早めに薬剤散布をしたり、べた掛け資材を被覆して飛来を回避します。
 収穫は通常葉長が22~25cmぐらいになったら株元から抜き取り、または刈り取りします。
 小規模の家庭菜園では葉をかき取り収穫するのも良いです。
 私の場合、やや離れた畑ではなく庭先の小菜園の5m長の畝1列に、6月中旬に種まきし、葉をかき取り収穫し、7月下旬から3月下旬まで8カ月の長い間収穫しています。小松菜はとう立ちするまで節間はほとんど伸びず、株元付近の葉が次々と出てくるので、草姿はいつも低いままなのです。3月下旬を過ぎるととう立ちしてくるので、それもナバナ同様に摘み取って食べます。ほろ苦い、さっぱりした味も良いものです。
 この摘み取り長期栽培の品種としては、サカタのタネの「きよすみ」などがお薦めです。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。